どんな男の子の名前が人気なのかを分析
人気の漢字と読み方
男の子の名前の付け方で他の人たちがどう名付けているのか参考にしたいという人のために、いろいろなところでアンケートが実施されています。2019年における男の子の名前ランキングの中でも目を引くのが、人気の名前の中に「翔」という字が多く取り入れられている点です。翔や侑翔、翔琉、晴翔というものが入っています。最初の文字はそのまま「しょう」と読む場合もありますし、近年では「そら」と読ませるパターンもあります。ほかにも「ゆうと」「かける」「はると」と呼ぶケースが多いです。この文字は、有名なスポーツ選手が使用していたことから、同じように活躍できる人物になってほしいという思いから人気が高まっている文字です。
翔のほかにも、おおらかな印象で、太陽のように周りを明るく、そして暖かく包んでくれるような子供に育ってほしいという願いから「大」や「太」「陽」といった文字を使用するのも人気があります。「陽」は、単体でよう、あき、ひなた、と読んだり、翔と組み合わせて「陽翔」とし、はるとやひなと、と読んだりする名前が多く付けられています。
さらに令和にあやかったものも、今後は人気になってくると想定されています。和は昔から名付けられている漢字ですが、令の字は過去あまりランキングには登場していません。そのまま令という漢字を使用するのも良いですが、「怜」や「玲」といった同じ読み方で漢字の旁に令があるものを使用して「怜人」や「玲也」と名付け方法もあります。
古風な雰囲気が人気を上げてきている
平成の終わりごろに独創性の高いキラキラネームが世間を賑わせましたが、現在では「茂」でしげると読む名前や「清」できよしと読むなどの、昔ながらで漢字1文字の名前を付ける親御さんが増えてきています。このような名前に人気が高まっている背景としては、キラキラネームの存在があります。キラキラネームは「輝星」で「べが」と読むなど個性が強い一方で、一目で読み方がよくわからないといったデメリットもあります。もちろん、個性が強いからこそ、あらゆる人にすぐ覚えてもらいやすいといったメリットもあります。しかし、このようなオリジナリティあふれた名前が多くなっていく中で、あえて昔ながらの日本人らしいものを付けたほうが個性が出るのではないかと考える人が増えてきています。人とは違った名前にしたい、でも読みにくいと学校や社会に出たときに不便があるのではないかと思っている親御さんが名付けている傾向があります。
近年多くなってきている昔ながらの名前には、漢字2文字以上のものもあります。
例えば、大和が該当します。大手ベビー用品が調査した2018年度の男の子に名付けた名前ランキングでは、大和は6位とトップ10入りを果たしています。また、スマートフォン用名づけアプリが調査した2018年から2019年のランキングでは、10位に一郎、11位に英明、14位に和雄がランクインしています。このようにキラキラネームの一方で、昔ながらのものが再度評価されてきています。
名は体を表すという言葉があるように、人は名前によって影響される側面もあります。男の子の場合、昔ながらの名を付けることで、日本男児の硬派な子や堅実な子に育ってほしいという思いが込められていることもあります。
ランキングで見る人気の名前と親の思い
自然や植物を連想させるような漢字を使用した男の子の名前が、さまざまな名前ランキングの上位にきています。例えば通信教育会社や生命保険会社が行った調査で、2018年の1位に輝いたのが「蓮」です。この漢字を使った名前は、長期にわたって高い人気を維持し続けています。トップ10にランクインするようになったのは2000年あたりからですが、2011年ごろからランキングの上位の常連になっています。
なぜ蓮が人気なのか、その理由として植物の蓮が大きく関係しています。蓮は根をしっかり張って、どのような環境でもたくましく生きていくイメージがあり、そのように強く育ってほしいという想いが込められています。また「れん」と2文字で短く、簡単に呼べるというのも人気の理由です。
このように、現在は短めの名前が人気です。2文字や3文字が主流で、トップ10以内で4文字以上の音のものは入っていません。さらに「蓮」は、女の子の人気ランキングでもしばしば顔を出していて、今や男女に関係なく使用されている漢字です。
このほかにも、大樹も「樹」という植物にあやかった名になっています。この植物関係の名付けも近年人気です。しっかりと根を張り着実に一歩一歩育ってほしい、そして最後には美しい大輪の花を咲かせてほしいという願いがあります。近年は、スマートフォンやSNSの普及に伴い、さまざまなことが目まぐるしく変化していっています。その中でも自分を見失うことなく、信念を持って行動してほしいという願いが込められています。