ショートスリーパーの子供は放っといてもいい?
「ショートスリーパー」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。一般的な人の睡眠時間は7~8時間ですが、ショートスリーパーは6時間未満の睡眠時間でも健康を維持できます。しかしこれは大人の場合であり、子供の睡眠時間が極端に短い場合は成長に影響を及ぼすのでは、と不安に感じることもあるでしょう。そこで今回は、子供のショートスリーパーについて、睡眠時間と成長の関係を解説します。
子供のショートスリーパーは存在する?
子供はよく遊び、よく寝るものと考える人は多いものです。子供の理想的な睡眠時間は一般的な大人の睡眠時間よりもはるかに長く、新生児や乳児は約12~17時間、成長するにつれて徐々に短くはなっていくものの、小学生でも9~11時間程度です。
にもかかわらず睡眠時間が短く、昼寝もしないのに短い睡眠時間でも問題なく1日を過ごせるショートスリーパーといえる子供は存在します。とはいえ、その数はそこまで多くはないといわれます。
ショートスリーパーの特徴は?
ショートスリーパーの特徴は、やはり睡眠時間が短いという点です。通常、睡眠時間が短いと昼間に眠くなったり身体の調子がイマイチ悪くなったりすることがありますが、ショートスリーパーの場合は睡眠時間が短くても元気で、身体の調子も良いものです。睡眠時間が長すぎると、逆に調子が悪くなることがあるのも、ショートスリーパーの特徴です。
睡眠時間が短くても問題なく毎日を過ごせるショートスリーパーは、睡眠中の浅い眠り「レム睡眠」の時間が少ないといわれます。効率的に深く眠れるので、睡眠時間が短くても問題なく過ごせるというわけです。
睡眠時間は子供の成長にどう影響するのか?
睡眠中は、子供の成長に重要な成長ホルモンが分泌する時間です。成長ホルモンは身体の形成に大きく関わり、成長ホルモンが正常に分泌されることで成長が促されます。また、レム睡眠中には1日の記憶が整理されるといわれており、睡眠は脳の発達にも影響を及ぼすといわれるほど大切なものなのです。
子供の睡眠時間が不足していると、身体の成長や脳の発達に悪影響を及ぼす恐れが考えられます。集中力の低下や食欲不振、ストレスなどが見られることがある他、長期的に見ると、肥満や高血圧などの生活習慣病の原因になることもあるでしょう。睡眠時間は心身ともに大きな影響を及ぼすものなのです。
ショートスリーパーの子供や赤ちゃんには対策が必要?
赤ちゃんは寝たいときに寝ているはずなので、基本的に寝不足の状態はないものです。そのため、毎日の睡眠時間が短くても問題がないショートスリーパーと考えられます。このようなショートスリーパーの赤ちゃんは十分に寝ているはずなので生活に問題はなく、特に対策も必要はないでしょう。ただし、前述の通り成長ホルモンは睡眠中に分泌されるものなので、できるだけ睡眠時間を確保できるよう、早めに眠らせるのがおすすめです。
夜の睡眠時間が短く、日中に昼寝もしてしまう子供の場合はショートスリーパーではなく、夜型の生活習慣になってしまったことにより夜にしっかり眠れていない可能性があります。このような場合は、夜にしっかりと寝かしつけるよう何らかの対策が必要です。
子供を夜しっかり眠らせるためのポイント
ショートスリーパーでもなく、単純に夜型の生活で睡眠時間が短くなることにより昼間に眠くなったり集中力が低下したりするなど、生活に影響が出ている子供は夜にしっかりと眠らせなければなりません。夜型の子供は夜ふかしが多い家庭に多く、子供の夜ふかしは親が夜ふかししていることが影響しているといわれます。親が早い時間に寝れば、子供も早く眠ります。つまり、子供の夜ふかしを改善するには、まず親が夜型の生活習慣を改善するのがポイントです。
もう1つのポイントは、生活リズムを整えることです。朝に起きて身体に朝日を浴びると、その14~16時間後に眠りを誘う「メラトニン」というホルモンが分泌しやすくなります。朝にしっかり起きてメラトニンが分泌できれば、夜眠るべき時間帯に眠りやすくなります。また、昼間は適度に身体を動かし、眠りにつく2~3時間前までには夕食や入浴を済ませましょう。このように生活リズムが整えば体内時計も整い、夜に子供を眠らせやすくなります。
それでも夜になかなか寝てくれない子供には、子供がお気に入りの枕やぬいぐるみを用意する、眠りやすいように照明を徐々に暗くしてみるなど、寝室の環境を整えてみましょう。テレビやスマホのブルーライトは、子供へも悪影響を及ぼすことがあります。最低でも就寝2時間前には、テレビやスマホの画面を見せることは避けましょう。
室内温度や湿度を快適に調整しておくことも、快眠のポイントです。室内温度は28度、湿度が50~60%程度が眠るときに最適な環境といわれます。気温の変動が大きい夏や冬は、エアコンや暖房器具を使って寝室の温度と湿度を調整してみましょう。
寝具も、快適な睡眠に大きく関わります。寝具の中の温度「寝床内温度」は33度程度、湿度55%が最適といわれるので、布団の中の湿度を上げすぎず、寝床内温度を下げすぎない通気性の高い寝具がおすすめです。例えば冬なら羽毛布団、夏なら通気性に加えて汗を吸収しやすい吸水性の高い寝具を使ってみましょう。
まとめ
元々ショートスリーパーの子供でも、身体の成長に大きく関わる成長ホルモン分泌のために、ある程度の睡眠時間は必要です。ショートスリーパーではない夜型の子供も、夜にきちんと眠れるよう、親も一緒に生活リズムを整えることが、良質な睡眠を取るポイントとなります。子供の成長のためにも、睡眠時間はしっかりと取ることが大事です。